企画展のパネルを再現するシリーズの第1回。まずはチベットの人たちが飼っている家畜の話です。
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牧畜とは、家畜から得られる乳や肉、毛などに衣食住の多くの部分を依存する生活スタイルを指します。湿潤なアムドにおける牧畜の主役はヤク。この他に、ヒツジやウマなども飼われています。
ནོར། ヤク

家畜としてのヤクの歴史は3000年ほどと新しく、チベットには現在でも野生のヤクが少数生息しています。ヤクはホルスタインや和牛と比較すると体は小さく、長い毛をもったウシの一種です。「ボフボフ」や「ヴーヴー」と鳴きます。ヤクからは乳や肉、毛などが得られる他、騎乗や荷駄としても用いられます。
ལུག ヒツジ

ヒツジを飼っている世帯も少なくありません。ヒツジの肉は最も頻繁に食べられており、毛や毛皮からは衣服が作られてきました。安価な化繊の衣服があふれる現在はヒツジの毛の価値は低下していますが、それでも伝統的な服を作る場合には欠かせません。
རྟ། ウマ

ウマは、かつて牧畜民の足として移動や戦いの場面で重要な役割を果たしてきましたが、バイクの登場によってウマが活躍する場面は限られてきています。現在は、競馬のためにウマを飼っている世帯も多く、速いウマを育てるために血道をあげています。
牧畜という生活
人間が直接利用できない草原の植物を、家畜を介して利用できるようにします。去勢や交尾介助などの技術によって家畜を群れとして管理しながら、個別の個体から乳や肉、毛を得ているのです。
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